大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和24(れ)2963 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人福永福雄の上告趣意について。

記録を調査すると、原審弁護人当別当隆治が原審第一回公判廷において被告人の

母Aを当日在廷証人として訊問を申請したこと並びに原審においてその申請に対し

て特に却下の決定を言渡さなかつたことは所論の通りである。しかし在廷証人の訊

問申請があつたにかゝわらず、裁判所がこれを許容することなく当日の審理を終え、

新期日を指定告知した場合には暗黙にその申請を却下する決定をしたものとみるの

が相当である。(昭和二三年(れ)第三二三号同年六月二四日言渡第一小法廷判決

参照)然るに前記公判調書によれば原審弁護人は前記の在廷証人の申請をしたにか

ゝわらず、裁判長は検事の意見を求めた上、当日の審理を終結し、判決言渡期日を

指定告知し訴訟関係人に各出頭を命じて閉廷した旨の記載が存するのであるから、

原裁判所は右在廷証人を即時同公判廷において訊問することを許容せず、これが請

求を却下する決定をしたものと見ることができる。それ故原審の訴訟手続には所論

の違法はないのである。

よつて旧刑訴法第四四六条に則り主文の通り判決する。

この判決は裁判官全員の一致した意見である。

検察官 岡本梅次郎関与

昭和二五年六月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

- 1 -

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!